助動詞(一) 「れる・られる」「せる・させる」
●すでに受身的な意味を持つ動詞:見つかる 教わる(おそわる) など
●無意志動詞の中の状態動詞 :ある、要る、かかる など
●可能、自発の意味を持つ動詞:見える、聞こえる など
自発(じはつ)
1. N1は/が N2に/から V-られる (直接受身ちょくせつうけみ)
V の動作を、その動作の受け手(N1)の立場で述べるときに使う。動作主は「N2に」で示すが、動作主から感情・情報・言葉などが与えられる行為を表すときは「N2から」も使われる。 Vは他動詞。
動作(どうさ) 立場(たちば) 動作主(どうさぬし) 示す(しめす) 与えられる(あたえられる) 行為(こうい)
●わたしはおばあさんに道を聞かれました。被动
●おばあさんはわたしに道を聞きました。主动
●姉は、夜遅く帰って、父に叱られました。被动
叱られました(しかられました)叱る(しかる)
姉は夜遅く帰ってきたので、ちちは姉を叱りました。
●森さんは知らない人から話しかけられた。被动
話しかける(说话)
知らない人が森さんに はなしかけた。
●N1が話し手、またはだれかわかっている場合は、「N1は/が」が省略されることがある。 省略(しょうりゃく)
●財布を落としたので交番へ行ったら、おまわりさんにいろいろ質問されました。 交番(こうばん)
●子どものとき、犬にかまれたことがあります。
噛まれた(かまれた)
●A: どうしたんですか。うれしそうですね。
B: スピーチがじょうずにできて、日本語の先生にほめられたんです。 ※注意:
話し手が関わる行為の場合は、話し手の視点から述べるために受身が使われることが多い。また、一つの文は一人の人の視点から述べられるのが普通。 関わる(かかわる)
○夜中に騒いだら、近所の人に注意されてしまった。
×夜中に騒いだら、近所の人が注意した。 騒ぐ(さわぐ)
2. N1は/が N2に(よって) V-られる (直接受身)
A.事実の描写文、報道文などで多く使われる。主に物(作品、建築物など) が作り出される場合や改まった言い方のときは「によって」が使われる。
描写文(びょうしゃぶん) 報道(ほうどう) 主に物(おもにもの) 建築
物(けんちくぶつ) 出される(だされる 作り出す) 改まった(あらたまった 改まる)
★漫画週刊誌は若いサラリーマンによく読まれている。
漫画週刊誌(まんがしゅうかんし)
若いサラリーマンは漫画週刊誌をよく読んでいる(/読む/読みます)。
★その寺院は7世紀に中国から渡来した僧侶(そうりょ) によって建てられた。 寺院じいん 世紀せいき 渡来とらい
7世紀に中国から渡来した僧侶はその寺院を建てた。
★地震後、その教会は地域の住民によって再建された。
地震後(じしんご)教会(きょうかい)地域(ちいき) 再建(さいけん) 地震後、地域の住民はその教会を再建した。
★その展覧会はフォード財団によって支援されている。 被动
財団(ざいだん)
フォード財団は(/が)その展覧会を支援している。主动
B. NがV-られる
社会的事実を述べるときに使う。動作主は特定することができないため、文中に示さないのが普通。
動作主(どうさぬし) 特定(とくてい) 文中に(ぶんちゅうに) 示さない(しめさない)
●この地方では主に赤ワインが作られている。被动
主に (おもに)
●木曜日の会議は3時から開かれることになっている。
●この辞書は昔から使われているいい辞書だが、最近の外来語などは載っていない。
載る(のる)
●昨夜、駅前のデパートで1億円相当のネックレスや指輪が盗まれた。
昨夜(さくや) 指輪(ゆびわ) 盗む(ぬすむ)
●来月発売される車のカタログを手に入れた。
発売(はつばい)
●2000年に沖縄でサミットが開かれました。
沖縄(おきなわ)サミット(会议的名称)
●この歌は、カラオケでよく歌われています。
3.N1は/が N2に V-られる <間接受身>
ある事態が生じたことで間接的に迷惑を受ける人の立場から述べるのに用いる。「客が来る」「雨が降る」など自動詞の能動文にそれぞれに対応する。動作主は「N に」で示され、「N によって」や「N から」は使えない。 Vは自動詞。
生じる(しょうじる) 立場(たちば) 用いる(もちいる)使用
●✩日曜日はいかがでしたか。
△家族でハイキングに行ったんですが、途中で雨に降られましてね。
✩それは大変でしたね。
●彼は奥さんに逃げられて、すっかり元気をなくしてしまった。
●忙しいときに客に来られて、仕事ができなかった。来られて(こられて)
●子供に死なれた親ほどかわいそうなものはない。(最高级)
桜の花ほどきれいなものはない。(最高级)
4 N1は/が N2にN3を V-られる <間接受身>
ある事態が生じたことで間接的に迷惑を受ける人の立場から述べるのに用いる。「(だれかが) タバコを吸う」「 (だれかが) 仕事をする」など他動詞の能動文に対応して、そのために話し手が困っていることを表す。動作主は「N に」で示され、「N によって」や「N から」は使えない。動作主は示されないことが多い。
●狭い部屋でタバコを吸われると気分が悪くなる。
気分きぶん
●夜遅くまで会社に残って仕事をされると、電気代がかかって困る。
●次々に料理を出されて、とても食べ切れなかった。
次々(つぎつぎ) 切れる(きれる) 食べ切る(吃完所有的食物)
这里的意思是吃不完。
●台所のテーブルの上に宿題を広げられると晩御飯の支度ができないから、早く除(ど) けなさい。
支度(したく 准备) 除ける(どける 整理,清理)
●友達に0点のテストを見られて、はずかしかったです。
N1は/が N2にN3を V-られる <所有者受身>しょゆうしゃ
動作や作用を受けたものの所有者を主語にして述べるのに用いる。あるものに対する行為によって、そのもの所有者が迷惑を受けたり戸惑ったりすることを表すのに使う。
作用(さよう)用いる(もちいる) 戸惑う(とまどう)
●森さんは知らない人に名前を呼ばれた。
●私は今朝、電車の中で足を踏まれた。
●犯人は警官に頭を撃たれて重傷(じゅうしょう) を負った。
警官(けいかん) 撃つ(うつ) 負う(おう)
※注意1:所有者に属するもの(名前、足、頭など) は「 Nを 」の形で表す。これらを主語にすると不自然に感じられる場合が多い。
属する(ぞくする)
×私の足が踏まれた。
○私は足を踏まれた。
※注意2:
例文:先生に発音を褒められて英語が好きになった。
話し手の視点から見て歓迎すべきことは「-V てもらった」などの恩恵を表す表現を用いることが多いが、例文の「ほめる」のように本来プラスの意味を持つ動詞が受身になるときは、「恥ずかしい」「得意だ」など、なんらかの感情の動きが含意される。
恩恵(おんけい)動き(うごき) 含意(がんい)
●可能、自発の意味を持つ動詞:聞こえる、見える、できる など
●無意志動詞 :ある、要る、かかる など
●その他 :知る、わかる など
自発(じはつ) 他(た/ほか)
A:能力、技術があることを述べるときに使う。
●A: 歌の伴奏をお願いしたいんですが、だれか楽器が弾けますか。
B: 山本さんはギターが弾けます。
●A: 田中さん、今度いっしょにプールへ行きませんか。
B: いいですね。でも、わたし、泳げないんです。
●まだ、カタカナを習っていませんが、自分の名前はカタカナで書けます。 伴奏(ばんそう)楽器(がっき)山本(やまもと) 泳げない(およげない) B:可能であることを述べるときに使う
●A: 明日も手伝いに来られますか。 (来られます こられます)
B: 明日はちょっと c 。
●A: わたしたちも図書館のコンピュータが使えますか。
B: はい、もちろん使えます。
●知らない漢字が多くて、読めません。
C:ものの性質、機能について述べるときに使う
●例 A: この水は飲めますか。
B: 大丈夫です。
※注意:
「V ことができます」は、条件などが整って可能だという意味を表すときに使われる。「V (られ)ます」より使用範囲は狭い。
条件(じょうけん) 整って(ととのって、整う ととのう)
例
● 田中さんは泳げます。(○)
● 田中さんは泳ぐことができます。(×)
● 田中さんは1000メートルを18分で泳ぐことができます。(○)
●動詞)の違い。
見られる(「見る」の可能形) 、見える(自動詞)
意志的行動かどうか 例 文
●見られる ○ 今、東京美術館でゴッホの絵が見られます。 ゴッホ 梵高
●見える × 空にたくさん星が見えます。
●見られる→そういう状況や機会があって可能である。状況(じょうきょう) ●見える→自然に目に入ってくる
●○昨夜のスポーツニュースは忙しくて見られなかった。(×見えなかった。) ●○ここから白い建物が見えます。(×見られます。)建物(たてもの)建築物(け
んちくぶつ)
●視力→見える
●生まれたばかりの猫の子は目が見えない。
聞ける(「聞く」の可能形) 、聞こえる(自動詞)
意志的行動かどうか 例 文
●聞ける ○ 電話で明日の天気予報が聞けます。
●聞こえる × 何も聞こえません。音を大きくしてください。
●聞こえる→自然に耳に入る
●聞ける→そういう状況や機会があって可能である。
●○携帯ラジオを持ってきたので、どこでも天気予報が聞ける。(×聞こえる。) ●○どこからか鳥の声が聞こえた。(×聞けた。)
●聴力→聞こえる (聴力ちょうりょく)
●補聴器(ほちょうき)をつけたら、耳がよく聞こえるようになった。
产生。译成“禁不住、不由得”。助詞一般用「が」。 ●用法:
動詞未然形+れる、(られる)
●用例:
思い出す→思い出される
感じる→感じられる
考える→考えられる
例句
★両親からの手紙を読むと、国のことが思い出される。
★今でも時々小さい時のことが思い出されます。
★昔のことが懐かしく偲ばれる。懐かしい(なつかしい) 偲ばれる(しのばれる) 偲ぶ(しのぶ)
★もう春が近づいたように感じられます。
●課長はいつ富士山に登られたのですか。
●朝はお忙しいので、新聞は簡単に目を通されるだけです。 ●この方は日本に来られたばかりです。
●田中さんのお父さんは毎朝、散歩されるそうです。
●高橋社長はあす天津をたたれる。
断たれる (たたれる离开)
A. 先生や会社の上司など、目上の人の動作に使い、その人への敬意を表す。
動作(どうさ)敬意(けいい)
●学生: 先生はたばこをすわれますか。
先生: いいえ、すいません。
●社員: 課長、何時に会社を出られますか。(出られる でられる)
課長: ○○銀行とのやくそくは2時なので、1時に出る予定です。
●課長: 部長、明日のパーティーに出席されますか。
部長: ああ、出席しますよ。
●(図書館の人に)
○○先生が書かれた「△△」という本はありますか。
話題の人物がその場にいないときには、敬語を使わなくてもよい。
例 ○○先生が書いた「△△」という本はありますか。
B. 初めて会った人やよく知らない人の動作に使い、その人への敬意を表す。 ●(道で、困っている人に)
A: どうされたんですか。
B: 駅までの道がよくわからないんですが c 。
●(同じ会社で働いているが、あまり話したことがない人に)
A: 休みはどちらへ行かれたんですか。
B: いなかへ帰りました。田舎(いなか 乡村/家乡)
●(道で、ハンカチをおとした人に)
A: これ、おとされましたよ。(ハンカチをわたす)
B: あ、ありがとうございます。
C. 店員などが客の動作に使い、客への敬意を表す。
●(ホテルのフロントで、ホテルの人が客に)
外に出られるときは、かぎをフロントにお返しください。
●(薬屋で店員が客に)
この薬を飲まれたら、車の運転はしないようにしてください。
●(ガイドが客に)
バスをおりられるときは、車にご注意ください。
D. スピーチや案内など公の場面や改まった場面で使う。聞き手(読み手)の動作に使い、聞き手(読み手)への敬意を表す。
公(おおやけ) 私(わたくし) 公私(こうし) 改まった(あらたまった) ●(海での案内書き)
お酒を飲まれた方は、海に入らないでください。
●(本の紹介文)
この本を読まれたら、きっと旅行をしたくなるでしょう。
●(卒業式のスピーチで、校長が卒業生に)
ご卒業、おめでとうございます。みなさんはこの学校を卒業して、新しい道に進まれます。たいへんなこともあると思いますが、どうぞがんばってください。 注意
●A の使い方では、話し手が自分の会社の上司についてほかの会社の人に話すとき、尊敬語/尊敬表現は使えない。(下の例では、山田が自分の会社の木村部長のことについて、ほかの会社の田中に話している。)
例 田中: 木村部長は何時にもどられますか。
山田: 2時にもどられます。(×)
2時にもどります。(○)
●兄、姉など)について、ほかの人に話すときは使えない。 年上(としうえ)
例1 ○○さんのおじいさんは、先週入院されました。
例2 (わたしの)祖父は、先週入院されました。(×)
(わたしの)祖父は、先週入院しました。(○)祖父(そふ)
● 慣用(かんよう)
例1 (友達の家に電話をかける)
山中: はい、山中です。
高橋: 高橋ですが、まさるさんはいらっしゃいますか。
山中: まだ、帰ってきていないんですが。
高橋: そうですか。では、帰られたら、電話があったことを伝えていただけますか。
●例2 (ほかの会社に電話をかける)
村田: はい、○○社です。
小林: △△銀行の小林ですが、木村さん、お願いします。
村田: 木村はちょっと出ていますが。
小林: では、もどられたら、電話をくださるよう、お伝えください。
小林(こばやし 日本的姓氏)
●の意味を持つ動詞は、尊敬の「V (ら)れます」の形は使えない。
●い」などを使う。
例 どうぞご自由に使われてください。(×)
どうぞご自由にお使いください。(○)
●文脈(ぶんみゃく)
例 社長は今日とどいた手紙を読まれました。(尊敬)
わたしは母に友達からの手紙を読まれました。(受身/被动)
●先生は学生に本を読ませます。
●先生は学生に真似(まね) をさせます。真似をする 模仿
●学生に発音を聞かせると同時に学生にどんなことをさせますか。同時(どうじ) ●学生に言わせるときはみんないっしょに言わせますか、一人一人に言わせますか。一人一人(ひとりひとり)
●趙先生は学生に翻訳練習をやらせますか。
●問いに答えさせる場合は、口で答えさせますか、紙に書いて答えさせますか。 谓语是自动词的使役态 NがN を/にV-させる
●父は弟
●私は病気をして、両親を心配させたことがあります。
●林さんを廊下に待たせたのは誰ですか。廊下(ろうか)
●あなたは先生を困らせたり、心配させたりすることがありますか。
●両親を怒らせたことがありますか。
●子供を買い物に行かせました。
●最近は小学生を塾に通わせる親が多い。塾(じゅく)通う(かよう)通わせる(かよわせる)
注意
●V が自動詞のときは動作主には「を」がつく。ただし、以下の場合は「に」がつく。
1) 許可の意味がある場合 許可(きょか)
例 専門の勉強をしたいというので、息子に大学に行かせることにした。専門(せんもん)
大きな契約だから、新入社員に行かせるのは心配だ。契約(けいやく)
2) 場所を表す「を」をとる動詞で、文の中で場所を示す場合
例 先生は学生に運動場を走らせた。
●「〜(さ)せる」と他動詞の文は次のような違いがある。
例 着る(きる)
1 お母さんは、子どもに自分で服を着させた。
(使役形: お母さんが着るように言って、子どもが自分で着た)
2 お母さんは、赤ちゃんに白い服を着せた。
(他動詞: 赤ちゃんは自分で着られない)
含义
A. ある人の命令や指示によって、ほかの人が何かをすることを示す。主語は命令(指示)する人。指示(しじ)
●お母さんは子どもを買い物に行かせた。
●学生がさわいだので、先生は学生を静かにさせた。
●子どもにピアノを習わせて、将来は音楽家にさせたい。
●犯人は銀行員に現金を用意させた。
●A:機械がまた故障なんですが…。
B:申し訳ありません。すぐに係りの者を伺わせます。伺わせます(うかがわせます 拜访)
B. ある人の許可によって、ほかの人が自分の希望していることをすることを示す。主語は許可する人。許可(きょか)特許(とっきょ)
●子どもがピアノを習いたがったので、お母さんは子どもにピアノを習わせた。 ~したがったので强烈的愿望
●おいしそうなケーキですね。娘はケーキが大好きなので、食べさせたいです。電車の中で若い女の人が席を立って、祖父を座らせてくれた。
●社長は給料を前借りさせてくれた。前借(まえがり)
C. あることが原因で、ほかの人の気持ちや感情を動かしたときに使う。「泣く、
笑う、怒る、心配する、安心する」などの感情を表す動詞<自動詞>を使う。 ●弟は妹のおもちゃを取って、妹を泣かせました。
●両親を喜ばせたことがありますか。
●私は若いとき、夜遅くまで遊んでいて、両親を心配させました。
●就職試験を受けなかったために、父をすっかり怒らせてしまった。 ●二年も続けて落第して母をがっかりさせた。落第(らくだい)がっかり失望 ●(B の後ろからA が近づいて)
A: わっ!(急に大きい声を出す)急に(きゅうに)
B: キャー、びっくりした。嫌だなあ、びっくりさせないで。 嫌だ(いやだ)嫌いだ(きらいだ)
烦、不自觉地 ●比較:
★私はお酒を飲んだ。
★私は隣の人に酒を飲まれた。
★上司は私に酒を飲ませた。
★私は課長に酒を飲まされた。
A. ある人の命令や指示によって、ほかの人が何かをすることを示す。主語は動作をする人で、その動作を「嫌だ、困った」と思っているときに使う。命令や指示する人に「に」がつく。
●弟はテレビを見ていたら、母に買い物に行かせられた/行かされた。 ●その会社の社員は毎日遅くまで仕事をさせられます。
●先輩に無理にお酒を飲まされて、気持ちが悪くなってしまった。 ●サッカー部に入りたいが、毎日走らされるのは嫌だ。
●山下さんは、毎日遅くまで残業させられているらしい。
B. あることが原因で、気持ちや感情が動いたときに使う。「泣く、驚く、心配する」などの感情を表す動詞や「考える」などの思考を表す動詞を使う。「原因」に「に」がつく。
●小さいとき、私は兄によく泣かされた。
●人が考えないことをする彼には、いつも驚かせられる/驚かされる。 ●彼の話を聞いて、幸せとは何かを考えさせられた。
●休日も休まずに研究を続ける熱心な仕事ぶりに感心させられました。
注意
●感情を表す無意志動詞の使役受身形は、自動詞と置き換えても意味はほとんど変わらない。換えて(かえて)置換(ちかん)置き換える(おきかえる) 例 飛行機の事故のニュースに驚かせられた/驚かされた。(使役受身形) 飛行機の事故のニュースに驚いた。(自動詞)
● 例 彼は友達の日本留学を喜んだ。(○)
彼は友達の日本留学に喜ばされた。(×)
●「V (さ)せられる/Vさ(せら)れる」は動作主が嫌だと思っている場合に使う表現だ。
「習いたくないのに習わせられた/習わされた」
「食べたくないのに、食べさせられた」
●例
●(「わたし」は習いたくなかった)
● (「わたし」は習いたかった) ● 省略(しょうりゃく)
例 仕事が忙しいので、兄は日曜日も働かせられている/働かされている。
助動詞(一) 「れる・られる」「せる・させる」
●すでに受身的な意味を持つ動詞:見つかる 教わる(おそわる) など
●無意志動詞の中の状態動詞 :ある、要る、かかる など
●可能、自発の意味を持つ動詞:見える、聞こえる など
自発(じはつ)
1. N1は/が N2に/から V-られる (直接受身ちょくせつうけみ)
V の動作を、その動作の受け手(N1)の立場で述べるときに使う。動作主は「N2に」で示すが、動作主から感情・情報・言葉などが与えられる行為を表すときは「N2から」も使われる。 Vは他動詞。
動作(どうさ) 立場(たちば) 動作主(どうさぬし) 示す(しめす) 与えられる(あたえられる) 行為(こうい)
●わたしはおばあさんに道を聞かれました。被动
●おばあさんはわたしに道を聞きました。主动
●姉は、夜遅く帰って、父に叱られました。被动
叱られました(しかられました)叱る(しかる)
姉は夜遅く帰ってきたので、ちちは姉を叱りました。
●森さんは知らない人から話しかけられた。被动
話しかける(说话)
知らない人が森さんに はなしかけた。
●N1が話し手、またはだれかわかっている場合は、「N1は/が」が省略されることがある。 省略(しょうりゃく)
●財布を落としたので交番へ行ったら、おまわりさんにいろいろ質問されました。 交番(こうばん)
●子どものとき、犬にかまれたことがあります。
噛まれた(かまれた)
●A: どうしたんですか。うれしそうですね。
B: スピーチがじょうずにできて、日本語の先生にほめられたんです。 ※注意:
話し手が関わる行為の場合は、話し手の視点から述べるために受身が使われることが多い。また、一つの文は一人の人の視点から述べられるのが普通。 関わる(かかわる)
○夜中に騒いだら、近所の人に注意されてしまった。
×夜中に騒いだら、近所の人が注意した。 騒ぐ(さわぐ)
2. N1は/が N2に(よって) V-られる (直接受身)
A.事実の描写文、報道文などで多く使われる。主に物(作品、建築物など) が作り出される場合や改まった言い方のときは「によって」が使われる。
描写文(びょうしゃぶん) 報道(ほうどう) 主に物(おもにもの) 建築
物(けんちくぶつ) 出される(だされる 作り出す) 改まった(あらたまった 改まる)
★漫画週刊誌は若いサラリーマンによく読まれている。
漫画週刊誌(まんがしゅうかんし)
若いサラリーマンは漫画週刊誌をよく読んでいる(/読む/読みます)。
★その寺院は7世紀に中国から渡来した僧侶(そうりょ) によって建てられた。 寺院じいん 世紀せいき 渡来とらい
7世紀に中国から渡来した僧侶はその寺院を建てた。
★地震後、その教会は地域の住民によって再建された。
地震後(じしんご)教会(きょうかい)地域(ちいき) 再建(さいけん) 地震後、地域の住民はその教会を再建した。
★その展覧会はフォード財団によって支援されている。 被动
財団(ざいだん)
フォード財団は(/が)その展覧会を支援している。主动
B. NがV-られる
社会的事実を述べるときに使う。動作主は特定することができないため、文中に示さないのが普通。
動作主(どうさぬし) 特定(とくてい) 文中に(ぶんちゅうに) 示さない(しめさない)
●この地方では主に赤ワインが作られている。被动
主に (おもに)
●木曜日の会議は3時から開かれることになっている。
●この辞書は昔から使われているいい辞書だが、最近の外来語などは載っていない。
載る(のる)
●昨夜、駅前のデパートで1億円相当のネックレスや指輪が盗まれた。
昨夜(さくや) 指輪(ゆびわ) 盗む(ぬすむ)
●来月発売される車のカタログを手に入れた。
発売(はつばい)
●2000年に沖縄でサミットが開かれました。
沖縄(おきなわ)サミット(会议的名称)
●この歌は、カラオケでよく歌われています。
3.N1は/が N2に V-られる <間接受身>
ある事態が生じたことで間接的に迷惑を受ける人の立場から述べるのに用いる。「客が来る」「雨が降る」など自動詞の能動文にそれぞれに対応する。動作主は「N に」で示され、「N によって」や「N から」は使えない。 Vは自動詞。
生じる(しょうじる) 立場(たちば) 用いる(もちいる)使用
●✩日曜日はいかがでしたか。
△家族でハイキングに行ったんですが、途中で雨に降られましてね。
✩それは大変でしたね。
●彼は奥さんに逃げられて、すっかり元気をなくしてしまった。
●忙しいときに客に来られて、仕事ができなかった。来られて(こられて)
●子供に死なれた親ほどかわいそうなものはない。(最高级)
桜の花ほどきれいなものはない。(最高级)
4 N1は/が N2にN3を V-られる <間接受身>
ある事態が生じたことで間接的に迷惑を受ける人の立場から述べるのに用いる。「(だれかが) タバコを吸う」「 (だれかが) 仕事をする」など他動詞の能動文に対応して、そのために話し手が困っていることを表す。動作主は「N に」で示され、「N によって」や「N から」は使えない。動作主は示されないことが多い。
●狭い部屋でタバコを吸われると気分が悪くなる。
気分きぶん
●夜遅くまで会社に残って仕事をされると、電気代がかかって困る。
●次々に料理を出されて、とても食べ切れなかった。
次々(つぎつぎ) 切れる(きれる) 食べ切る(吃完所有的食物)
这里的意思是吃不完。
●台所のテーブルの上に宿題を広げられると晩御飯の支度ができないから、早く除(ど) けなさい。
支度(したく 准备) 除ける(どける 整理,清理)
●友達に0点のテストを見られて、はずかしかったです。
N1は/が N2にN3を V-られる <所有者受身>しょゆうしゃ
動作や作用を受けたものの所有者を主語にして述べるのに用いる。あるものに対する行為によって、そのもの所有者が迷惑を受けたり戸惑ったりすることを表すのに使う。
作用(さよう)用いる(もちいる) 戸惑う(とまどう)
●森さんは知らない人に名前を呼ばれた。
●私は今朝、電車の中で足を踏まれた。
●犯人は警官に頭を撃たれて重傷(じゅうしょう) を負った。
警官(けいかん) 撃つ(うつ) 負う(おう)
※注意1:所有者に属するもの(名前、足、頭など) は「 Nを 」の形で表す。これらを主語にすると不自然に感じられる場合が多い。
属する(ぞくする)
×私の足が踏まれた。
○私は足を踏まれた。
※注意2:
例文:先生に発音を褒められて英語が好きになった。
話し手の視点から見て歓迎すべきことは「-V てもらった」などの恩恵を表す表現を用いることが多いが、例文の「ほめる」のように本来プラスの意味を持つ動詞が受身になるときは、「恥ずかしい」「得意だ」など、なんらかの感情の動きが含意される。
恩恵(おんけい)動き(うごき) 含意(がんい)
●可能、自発の意味を持つ動詞:聞こえる、見える、できる など
●無意志動詞 :ある、要る、かかる など
●その他 :知る、わかる など
自発(じはつ) 他(た/ほか)
A:能力、技術があることを述べるときに使う。
●A: 歌の伴奏をお願いしたいんですが、だれか楽器が弾けますか。
B: 山本さんはギターが弾けます。
●A: 田中さん、今度いっしょにプールへ行きませんか。
B: いいですね。でも、わたし、泳げないんです。
●まだ、カタカナを習っていませんが、自分の名前はカタカナで書けます。 伴奏(ばんそう)楽器(がっき)山本(やまもと) 泳げない(およげない) B:可能であることを述べるときに使う
●A: 明日も手伝いに来られますか。 (来られます こられます)
B: 明日はちょっと c 。
●A: わたしたちも図書館のコンピュータが使えますか。
B: はい、もちろん使えます。
●知らない漢字が多くて、読めません。
C:ものの性質、機能について述べるときに使う
●例 A: この水は飲めますか。
B: 大丈夫です。
※注意:
「V ことができます」は、条件などが整って可能だという意味を表すときに使われる。「V (られ)ます」より使用範囲は狭い。
条件(じょうけん) 整って(ととのって、整う ととのう)
例
● 田中さんは泳げます。(○)
● 田中さんは泳ぐことができます。(×)
● 田中さんは1000メートルを18分で泳ぐことができます。(○)
●動詞)の違い。
見られる(「見る」の可能形) 、見える(自動詞)
意志的行動かどうか 例 文
●見られる ○ 今、東京美術館でゴッホの絵が見られます。 ゴッホ 梵高
●見える × 空にたくさん星が見えます。
●見られる→そういう状況や機会があって可能である。状況(じょうきょう) ●見える→自然に目に入ってくる
●○昨夜のスポーツニュースは忙しくて見られなかった。(×見えなかった。) ●○ここから白い建物が見えます。(×見られます。)建物(たてもの)建築物(け
んちくぶつ)
●視力→見える
●生まれたばかりの猫の子は目が見えない。
聞ける(「聞く」の可能形) 、聞こえる(自動詞)
意志的行動かどうか 例 文
●聞ける ○ 電話で明日の天気予報が聞けます。
●聞こえる × 何も聞こえません。音を大きくしてください。
●聞こえる→自然に耳に入る
●聞ける→そういう状況や機会があって可能である。
●○携帯ラジオを持ってきたので、どこでも天気予報が聞ける。(×聞こえる。) ●○どこからか鳥の声が聞こえた。(×聞けた。)
●聴力→聞こえる (聴力ちょうりょく)
●補聴器(ほちょうき)をつけたら、耳がよく聞こえるようになった。
产生。译成“禁不住、不由得”。助詞一般用「が」。 ●用法:
動詞未然形+れる、(られる)
●用例:
思い出す→思い出される
感じる→感じられる
考える→考えられる
例句
★両親からの手紙を読むと、国のことが思い出される。
★今でも時々小さい時のことが思い出されます。
★昔のことが懐かしく偲ばれる。懐かしい(なつかしい) 偲ばれる(しのばれる) 偲ぶ(しのぶ)
★もう春が近づいたように感じられます。
●課長はいつ富士山に登られたのですか。
●朝はお忙しいので、新聞は簡単に目を通されるだけです。 ●この方は日本に来られたばかりです。
●田中さんのお父さんは毎朝、散歩されるそうです。
●高橋社長はあす天津をたたれる。
断たれる (たたれる离开)
A. 先生や会社の上司など、目上の人の動作に使い、その人への敬意を表す。
動作(どうさ)敬意(けいい)
●学生: 先生はたばこをすわれますか。
先生: いいえ、すいません。
●社員: 課長、何時に会社を出られますか。(出られる でられる)
課長: ○○銀行とのやくそくは2時なので、1時に出る予定です。
●課長: 部長、明日のパーティーに出席されますか。
部長: ああ、出席しますよ。
●(図書館の人に)
○○先生が書かれた「△△」という本はありますか。
話題の人物がその場にいないときには、敬語を使わなくてもよい。
例 ○○先生が書いた「△△」という本はありますか。
B. 初めて会った人やよく知らない人の動作に使い、その人への敬意を表す。 ●(道で、困っている人に)
A: どうされたんですか。
B: 駅までの道がよくわからないんですが c 。
●(同じ会社で働いているが、あまり話したことがない人に)
A: 休みはどちらへ行かれたんですか。
B: いなかへ帰りました。田舎(いなか 乡村/家乡)
●(道で、ハンカチをおとした人に)
A: これ、おとされましたよ。(ハンカチをわたす)
B: あ、ありがとうございます。
C. 店員などが客の動作に使い、客への敬意を表す。
●(ホテルのフロントで、ホテルの人が客に)
外に出られるときは、かぎをフロントにお返しください。
●(薬屋で店員が客に)
この薬を飲まれたら、車の運転はしないようにしてください。
●(ガイドが客に)
バスをおりられるときは、車にご注意ください。
D. スピーチや案内など公の場面や改まった場面で使う。聞き手(読み手)の動作に使い、聞き手(読み手)への敬意を表す。
公(おおやけ) 私(わたくし) 公私(こうし) 改まった(あらたまった) ●(海での案内書き)
お酒を飲まれた方は、海に入らないでください。
●(本の紹介文)
この本を読まれたら、きっと旅行をしたくなるでしょう。
●(卒業式のスピーチで、校長が卒業生に)
ご卒業、おめでとうございます。みなさんはこの学校を卒業して、新しい道に進まれます。たいへんなこともあると思いますが、どうぞがんばってください。 注意
●A の使い方では、話し手が自分の会社の上司についてほかの会社の人に話すとき、尊敬語/尊敬表現は使えない。(下の例では、山田が自分の会社の木村部長のことについて、ほかの会社の田中に話している。)
例 田中: 木村部長は何時にもどられますか。
山田: 2時にもどられます。(×)
2時にもどります。(○)
●兄、姉など)について、ほかの人に話すときは使えない。 年上(としうえ)
例1 ○○さんのおじいさんは、先週入院されました。
例2 (わたしの)祖父は、先週入院されました。(×)
(わたしの)祖父は、先週入院しました。(○)祖父(そふ)
● 慣用(かんよう)
例1 (友達の家に電話をかける)
山中: はい、山中です。
高橋: 高橋ですが、まさるさんはいらっしゃいますか。
山中: まだ、帰ってきていないんですが。
高橋: そうですか。では、帰られたら、電話があったことを伝えていただけますか。
●例2 (ほかの会社に電話をかける)
村田: はい、○○社です。
小林: △△銀行の小林ですが、木村さん、お願いします。
村田: 木村はちょっと出ていますが。
小林: では、もどられたら、電話をくださるよう、お伝えください。
小林(こばやし 日本的姓氏)
●の意味を持つ動詞は、尊敬の「V (ら)れます」の形は使えない。
●い」などを使う。
例 どうぞご自由に使われてください。(×)
どうぞご自由にお使いください。(○)
●文脈(ぶんみゃく)
例 社長は今日とどいた手紙を読まれました。(尊敬)
わたしは母に友達からの手紙を読まれました。(受身/被动)
●先生は学生に本を読ませます。
●先生は学生に真似(まね) をさせます。真似をする 模仿
●学生に発音を聞かせると同時に学生にどんなことをさせますか。同時(どうじ) ●学生に言わせるときはみんないっしょに言わせますか、一人一人に言わせますか。一人一人(ひとりひとり)
●趙先生は学生に翻訳練習をやらせますか。
●問いに答えさせる場合は、口で答えさせますか、紙に書いて答えさせますか。 谓语是自动词的使役态 NがN を/にV-させる
●父は弟
●私は病気をして、両親を心配させたことがあります。
●林さんを廊下に待たせたのは誰ですか。廊下(ろうか)
●あなたは先生を困らせたり、心配させたりすることがありますか。
●両親を怒らせたことがありますか。
●子供を買い物に行かせました。
●最近は小学生を塾に通わせる親が多い。塾(じゅく)通う(かよう)通わせる(かよわせる)
注意
●V が自動詞のときは動作主には「を」がつく。ただし、以下の場合は「に」がつく。
1) 許可の意味がある場合 許可(きょか)
例 専門の勉強をしたいというので、息子に大学に行かせることにした。専門(せんもん)
大きな契約だから、新入社員に行かせるのは心配だ。契約(けいやく)
2) 場所を表す「を」をとる動詞で、文の中で場所を示す場合
例 先生は学生に運動場を走らせた。
●「〜(さ)せる」と他動詞の文は次のような違いがある。
例 着る(きる)
1 お母さんは、子どもに自分で服を着させた。
(使役形: お母さんが着るように言って、子どもが自分で着た)
2 お母さんは、赤ちゃんに白い服を着せた。
(他動詞: 赤ちゃんは自分で着られない)
含义
A. ある人の命令や指示によって、ほかの人が何かをすることを示す。主語は命令(指示)する人。指示(しじ)
●お母さんは子どもを買い物に行かせた。
●学生がさわいだので、先生は学生を静かにさせた。
●子どもにピアノを習わせて、将来は音楽家にさせたい。
●犯人は銀行員に現金を用意させた。
●A:機械がまた故障なんですが…。
B:申し訳ありません。すぐに係りの者を伺わせます。伺わせます(うかがわせます 拜访)
B. ある人の許可によって、ほかの人が自分の希望していることをすることを示す。主語は許可する人。許可(きょか)特許(とっきょ)
●子どもがピアノを習いたがったので、お母さんは子どもにピアノを習わせた。 ~したがったので强烈的愿望
●おいしそうなケーキですね。娘はケーキが大好きなので、食べさせたいです。電車の中で若い女の人が席を立って、祖父を座らせてくれた。
●社長は給料を前借りさせてくれた。前借(まえがり)
C. あることが原因で、ほかの人の気持ちや感情を動かしたときに使う。「泣く、
笑う、怒る、心配する、安心する」などの感情を表す動詞<自動詞>を使う。 ●弟は妹のおもちゃを取って、妹を泣かせました。
●両親を喜ばせたことがありますか。
●私は若いとき、夜遅くまで遊んでいて、両親を心配させました。
●就職試験を受けなかったために、父をすっかり怒らせてしまった。 ●二年も続けて落第して母をがっかりさせた。落第(らくだい)がっかり失望 ●(B の後ろからA が近づいて)
A: わっ!(急に大きい声を出す)急に(きゅうに)
B: キャー、びっくりした。嫌だなあ、びっくりさせないで。 嫌だ(いやだ)嫌いだ(きらいだ)
烦、不自觉地 ●比較:
★私はお酒を飲んだ。
★私は隣の人に酒を飲まれた。
★上司は私に酒を飲ませた。
★私は課長に酒を飲まされた。
A. ある人の命令や指示によって、ほかの人が何かをすることを示す。主語は動作をする人で、その動作を「嫌だ、困った」と思っているときに使う。命令や指示する人に「に」がつく。
●弟はテレビを見ていたら、母に買い物に行かせられた/行かされた。 ●その会社の社員は毎日遅くまで仕事をさせられます。
●先輩に無理にお酒を飲まされて、気持ちが悪くなってしまった。 ●サッカー部に入りたいが、毎日走らされるのは嫌だ。
●山下さんは、毎日遅くまで残業させられているらしい。
B. あることが原因で、気持ちや感情が動いたときに使う。「泣く、驚く、心配する」などの感情を表す動詞や「考える」などの思考を表す動詞を使う。「原因」に「に」がつく。
●小さいとき、私は兄によく泣かされた。
●人が考えないことをする彼には、いつも驚かせられる/驚かされる。 ●彼の話を聞いて、幸せとは何かを考えさせられた。
●休日も休まずに研究を続ける熱心な仕事ぶりに感心させられました。
注意
●感情を表す無意志動詞の使役受身形は、自動詞と置き換えても意味はほとんど変わらない。換えて(かえて)置換(ちかん)置き換える(おきかえる) 例 飛行機の事故のニュースに驚かせられた/驚かされた。(使役受身形) 飛行機の事故のニュースに驚いた。(自動詞)
● 例 彼は友達の日本留学を喜んだ。(○)
彼は友達の日本留学に喜ばされた。(×)
●「V (さ)せられる/Vさ(せら)れる」は動作主が嫌だと思っている場合に使う表現だ。
「習いたくないのに習わせられた/習わされた」
「食べたくないのに、食べさせられた」
●例
●(「わたし」は習いたくなかった)
● (「わたし」は習いたかった) ● 省略(しょうりゃく)
例 仕事が忙しいので、兄は日曜日も働かせられている/働かされている。