千与千寻剧本)

宫崎峻之千与千寻日文剧本+下载

时间: 2009-09-24 10:09:08 | [>]

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千と千寻の神隠し下载

《千与千寻》日文剧本

父 千尋。千尋、もうすぐだよ。

母 やっぱり田舎ねー。買い物は隣町に行くしかなさそうね。

父 住んで都にするしかないさ。

ほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。

母 結構きれいな学校じゃない。

しぶしぶ起きあがってあかんべをする千尋。

千尋 前の方がいいもん。

…あっ、あああ!!おかあさん、お花しおれてっちゃった!

母 あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。 千尋 初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい……

母 あら。この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない?

千尋 一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。

母 カードが落ちたわ。

窓開けるわよ。もうしゃんとしてちょうだい!今日は忙しいんだから。

タイトル

父 あれ?道を間違えたかな?おかしいな……

母 あそこじゃない?ほら。

父 ん?

母 あの隅の青い家でしょ?

父 あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。……このまま行っていけるのかな。 母 やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。

父 ちょっとだけ、ねっ。

千尋 あのうちみたいの何?

母 石のほこら。神様のおうちよ

父 おとうさん、大丈夫?

父 まかせとけ、この車は四駆だぞ!

千尋 うぁっ―

母 千尋、座ってなさい。

千尋 あっ、うわっ……わっ、わっ!!

ぅああああああっ!

母 あなた、いいかげんにして!

父 行き止まりだ!

母 なあに?この建物。

父 門みたいだね。

母 あなた、もどりましょう、あなた。

千尋?…もぅ。

父 何だ、モルタル製か。結構新しい建物だよ。

千尋 ……風を吸込んでる……

母 なぁに?

父 ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。

千尋 ここいやだ。戻ろうおとうさん!

父 なーんだ。恐がりだな千尋は。ねっ、ちょっとだけ。

母 引越センターのトラックが来ちゃうわよ。

父 平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ?

母 そりゃそうだけど……

千尋 いやだ、わたし行かないよ!

戻ろうよ、おとうさん!

父 おいで、平気だよ。

千尋 わたし行かない!!

うぅ……あぁっ!

母 千尋は車の中で待ってなさい。

千尋 ぅぅ……おかあさーん!

まってぇーっ!

父 足下気をつけな。

母 千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。

千尋 ここどこ?

母 あっ。ほら聞こえる。

千尋 ……電車の音!

母 案外 駅が近いのかもしれないね。

父 いこう、すぐわかるさ。

千尋 こんなとこに家がある……

父 やっぱり間違いないな。テーマパークの残骸だよ、これ。

90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。これもその一つだよ、きっと。

千尋 えぇーっ、まだいくの!?おとうさん、もう帰ろうよぅ!

ねぇーーーっ!!

千尋 おかあさん、あの建物うなってるよ。

母 風鳴りでしょ。気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。 父 川を作ろうとしたんだねー。

ん?なんか匂わない?

母 え?

父 ほら、うまそうな匂いがする。

母 あら、ほんとね。

父 案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。

母 千尋、はやくしなさい。

千尋 まーってー!

父 ふん、ふん……こっちだ。

母 あきれた。これ全部 食べ物屋よ。

千尋 誰もいないねー。

父 ん?あそこだ!

おーい、おーい。

はぁー。うん、わぁ。

こっちこっち。

母 わぁー、すごいわねー。

父 すみませーん、どなたかいませんかー?

母 千尋もおいで、おいしそうよ。

父 すいませーん!!

母 いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。

父 そうだな。そっちにいいやつが……

母 これなんていう鳥かしら。……おいしい!千尋、すっごくおいしいよ!

千尋 いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。

父 大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。

母 千尋も食べな。骨まで柔らかいよ。

父 辛子。

母 ありがと。

千尋 おかぁさん、おとぅさん!!

諦めて歩き出す千尋。油屋の建物を見つける。

千尋 へんなの。

千尋 電車だ!……?

ハク様 ……!!

ここへ来てははいけない!!すぐ戻れ!

千尋 えっ?

ハク様 じきに夜になる!その前に早く戻れ!

…もう明かりが入った、急いで!私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ!!

千尋 なによあいつ……

明かりが入ると同時に、たくさんの影が動き出す。

千尋 ………!!おとうさーん!

おとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん!!

座っていた豚が振り向く。

千尋 ひぃぃ……っ

豚がたたかれて倒れる。

豚 ブギィィィ!!

千尋 ぅわぁあーっ!

おとおさーん、おかあさーん!!

おかあさーん、ひっ!

ぎゃああーーっ!!

千尋 ひゃっ!…水だ!

うそ……夢だ、夢だ!さめろさめろ、さめろ!

さめてぇ……っ……

これはゆめだ、ゆめだ。みんな消えろ、消えろ。きえろ。

あっ……ぁあっ、透けてる!ぁ……夢だ、絶対夢だ!

船が接岸し、春日さまが出てくる。

千尋 ひっ……ひっ、ぎゃあああーーっ!!

千尋を捜すハク。暗闇にいる千尋を見つけて肩を抱く。

千尋 っっっ!!!

ハク様 怖がるな。私はそなたの味方だ。

千尋 いやっ、やっ!やっっ!!

ハク様 口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。 千尋 いやっ!!……っ!?

ハク様 大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい。

千尋 ……ん……んぅ……んー……っ

ハク様 もう大丈夫。触ってごらん。

千尋 さわれる……

ハク様 ね?さ、おいで。

千尋 おとうさんとおかあさんは?どこ?豚なんかになってないよね!?

ハク様 今は無理だけど必ず会えるよ。……!

静かに!!

ハクが千尋を壁に押しつけると、上空を湯バードが飛んでいく。

ハク様 そなたを捜しているのだ。時間がない、走ろう!

千尋 ぁっ……立てない、どうしよう!力が入んない……

ハク様 落ち着いて、深く息を吸ってごらん……そなたの内なる風と水の名において……解

き放て……

立って!

千尋 あっ、うわっ!

走り出す二人。

ハク様 ……橋を渡る間、息をしてはいけないよ。

ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。 千尋 こわい……

ハク様 心を鎮めて。

従業員 いらっしゃいませ、お早いお着きで。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。 ハク様 所用からの戻りだ。

従業員 へい、お戻りくださいませ。

ハク様 深く吸って…止めて。

カオナシが千尋を見送る。

湯女 いらっしゃい、お待ちしてましたよ。

ハク様 しっかり、もう少し。

青蛙 ハク様ぁー。何処へ行っておったー?

千尋 ……!ぶはぁっ

青蛙 ひっ、人か?

ハク様 ……!走れ!

青蛙 ……ん?え、え?

青蛙に術をかけて逃げるハク。

従業員 ハク様、ハク様!ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ!臭いぞ、臭いぞ! ハク様 勘づかれたな……

千尋 ごめん、私 息しちゃった……

ハク様 いや、千尋はよく頑張った。これからどうするか離すからよくお聞き。ここにいては必ず見つかる。

私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して……

千尋 いや!行かないで、ここにいて、お願い!

ハク様 この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。ご両親を助けるためにも。 千尋 やっぱり豚になったの夢じゃないんだ……

ハク様 じっとして……

騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。外の階段を一番下まで下りるんだ。そこにボイラー室の入口がある。火を焚くところだ。

中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。

千尋 釜爺?

ハク様 その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。

ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。

千尋 湯婆婆…って?

ハク様 会えばすぐに分かる。ここを支配している魔女だ。嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない。

千尋 うん……

従業員 ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー?

ハク様 いかなきゃ。忘れないで、私は千尋の味方だからね。

千尋 どうして私の名を知ってるの?

ハク様 そなたの小さいときから知っている。私の名は――ハクだ。

ハク様 ハクはここにいるぞ。

従業員 ハク様、湯婆婆さまが……

ハク様 分かっている。そのことで外へ出ていた。

階段へ向う千尋。恐る恐る踏み出し、一段滑り落ちる。

千尋 ぃやっ!

はっ、はぁっ……

もう一段踏み出すと階段が壊れ、はずみで走り出す。

千尋 わ…っいやああああーーーーっ!やあぁああああああー!!

なんとか下まで降り、そろそろとボイラー室へむかう。

ボイラー室で釜爺をみて後ずさりし、熱い釜に触ってしまう。

千尋 あつっ…!

カンカンカンカン(ハンマーの音)

千尋 あの……。すみません。

あ、あのー……あの、釜爺さんですか?

釜爺 ん?……ん、んんーー??

千尋 ……あの、ハクという人に言われてきました。ここで働かせてください!

リンリン(呼び鈴の音)

釜爺 ええい、こんなに一度に……

チビども、仕事だー!

カンカンカンカンカンカン

釜爺 わしゃあ、釜爺だ。風呂釜にこき使われとるじじいだ。

チビども、はやくせんか!

千尋 あの、ここで働かせてください!

釜爺 ええい、手は足りとる。そこら中ススだらけだからな。いくらでも代わりはおるわい。

千尋 あっ、ごめんなさい。

あっ、ちょっと待って。

釜爺 じゃまじゃま!

千尋 ……あっ。

重さで潰れたススワタリの石炭を持ち上げる千尋。ススワタリは逃げ帰ってゆく。

千尋 あっ、どうするのこれ?

ここにおいといていいの?

釜爺 手ぇ出すならしまいまでやれ!

千尋 えっ?……

石炭を釜に運ぶと、ススワタリみんなが潰れた真似をしだす。

カンカンカンカン

釜爺 こらあー、チビどもー!ただのススにもどりてぇのか!?

あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならね。働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。

ここにあんたの仕事はねぇ、他を当たってくれ。

……なんだおまえたち、文句があるのか?仕事しろ仕事!!

リン メシだよー。なぁんだまたケンカしてんのー?

よしなさいよもうー。うつわは?ちゃんと出しといてって言ってるのに。

釜爺 おお……メシだー、休憩ー!

リン うわ!?

人間がいちゃ!…やばいよ、さっき上で大騒ぎしてたんだよ!?

釜爺 わしの……孫だ。

リン まごォ?!

釜爺 働きたいと言うんだが、ここは手が足りとる。おめぇ、湯婆婆ンとこへ連れてってくれねえか?後は自分でやるだろ。

リン やなこった!あたいが殺されちまうよ!

釜爺 これでどうだ?イモリの黒焼き。上物だぞ。

どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。自分で行って、運を試しな。

リン ……チェッ!そこの子、ついて来な!

千尋 あっ。

リン …あんたネェ、はいとかお世話になりますとか言えないの!?

千尋 あっ、はいっ。

リン どんくさいね。はやくおいで。

靴なんか持ってどうすんのさ、靴下も!

千尋 はいっ。

リン あんた。釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ?

千尋 あっ、うっ!……ありがとうございました。

釜爺 グッドラック!

リン 湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ。

早くしろよォ。

千尋 あっ。

リン 鼻がなくなるよ。

千尋 っ…

リン もう一回乗り継ぐからね。

千尋 はい。

リン いくよ。

……い、いらっしゃいませ。

お客さま、このエレベーターは上へは参りません。他をお探し下さい。

千尋 ついてくるよ。

リン きょろきょろすんじゃないよ。

蛙男 到着でございます。

右手のお座敷でございます。

?……リン。

リン はーい。(ドン!)

千尋 ぅわっ!

蛙男 なんか匂わぬか?人間だ、おまえ人間くさいぞ。

リン そーですかぁー??

蛙男 匂う匂う、うまそうな匂いだ。おまえなんか隠しておるな?正直に申せ! リン この匂いでしょ。

蛙男 黒焼き!……くれぇーっ!

リン やなこった。お姉さま方に頼まれてんだよ。

蛙男 頼む、ちょっとだけ、せめて足一本!

リン 上へ行くお客さまー。レバーをお引き下さーい。

『二天』につくが、『天』まで千尋を連れて行くおしらさま。

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时间: 2009-09-24 10:09:08 | [>]

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《千与千寻》日文剧本

父 千尋。千尋、もうすぐだよ。

母 やっぱり田舎ねー。買い物は隣町に行くしかなさそうね。

父 住んで都にするしかないさ。

ほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。

母 結構きれいな学校じゃない。

しぶしぶ起きあがってあかんべをする千尋。

千尋 前の方がいいもん。

…あっ、あああ!!おかあさん、お花しおれてっちゃった!

母 あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。 千尋 初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい……

母 あら。この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない?

千尋 一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。

母 カードが落ちたわ。

窓開けるわよ。もうしゃんとしてちょうだい!今日は忙しいんだから。

タイトル

父 あれ?道を間違えたかな?おかしいな……

母 あそこじゃない?ほら。

父 ん?

母 あの隅の青い家でしょ?

父 あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。……このまま行っていけるのかな。 母 やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。

父 ちょっとだけ、ねっ。

千尋 あのうちみたいの何?

母 石のほこら。神様のおうちよ

父 おとうさん、大丈夫?

父 まかせとけ、この車は四駆だぞ!

千尋 うぁっ―

母 千尋、座ってなさい。

千尋 あっ、うわっ……わっ、わっ!!

ぅああああああっ!

母 あなた、いいかげんにして!

父 行き止まりだ!

母 なあに?この建物。

父 門みたいだね。

母 あなた、もどりましょう、あなた。

千尋?…もぅ。

父 何だ、モルタル製か。結構新しい建物だよ。

千尋 ……風を吸込んでる……

母 なぁに?

父 ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。

千尋 ここいやだ。戻ろうおとうさん!

父 なーんだ。恐がりだな千尋は。ねっ、ちょっとだけ。

母 引越センターのトラックが来ちゃうわよ。

父 平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ?

母 そりゃそうだけど……

千尋 いやだ、わたし行かないよ!

戻ろうよ、おとうさん!

父 おいで、平気だよ。

千尋 わたし行かない!!

うぅ……あぁっ!

母 千尋は車の中で待ってなさい。

千尋 ぅぅ……おかあさーん!

まってぇーっ!

父 足下気をつけな。

母 千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。

千尋 ここどこ?

母 あっ。ほら聞こえる。

千尋 ……電車の音!

母 案外 駅が近いのかもしれないね。

父 いこう、すぐわかるさ。

千尋 こんなとこに家がある……

父 やっぱり間違いないな。テーマパークの残骸だよ、これ。

90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。これもその一つだよ、きっと。

千尋 えぇーっ、まだいくの!?おとうさん、もう帰ろうよぅ!

ねぇーーーっ!!

千尋 おかあさん、あの建物うなってるよ。

母 風鳴りでしょ。気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。 父 川を作ろうとしたんだねー。

ん?なんか匂わない?

母 え?

父 ほら、うまそうな匂いがする。

母 あら、ほんとね。

父 案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。

母 千尋、はやくしなさい。

千尋 まーってー!

父 ふん、ふん……こっちだ。

母 あきれた。これ全部 食べ物屋よ。

千尋 誰もいないねー。

父 ん?あそこだ!

おーい、おーい。

はぁー。うん、わぁ。

こっちこっち。

母 わぁー、すごいわねー。

父 すみませーん、どなたかいませんかー?

母 千尋もおいで、おいしそうよ。

父 すいませーん!!

母 いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。

父 そうだな。そっちにいいやつが……

母 これなんていう鳥かしら。……おいしい!千尋、すっごくおいしいよ!

千尋 いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。

父 大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。

母 千尋も食べな。骨まで柔らかいよ。

父 辛子。

母 ありがと。

千尋 おかぁさん、おとぅさん!!

諦めて歩き出す千尋。油屋の建物を見つける。

千尋 へんなの。

千尋 電車だ!……?

ハク様 ……!!

ここへ来てははいけない!!すぐ戻れ!

千尋 えっ?

ハク様 じきに夜になる!その前に早く戻れ!

…もう明かりが入った、急いで!私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ!!

千尋 なによあいつ……

明かりが入ると同時に、たくさんの影が動き出す。

千尋 ………!!おとうさーん!

おとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん!!

座っていた豚が振り向く。

千尋 ひぃぃ……っ

豚がたたかれて倒れる。

豚 ブギィィィ!!

千尋 ぅわぁあーっ!

おとおさーん、おかあさーん!!

おかあさーん、ひっ!

ぎゃああーーっ!!

千尋 ひゃっ!…水だ!

うそ……夢だ、夢だ!さめろさめろ、さめろ!

さめてぇ……っ……

これはゆめだ、ゆめだ。みんな消えろ、消えろ。きえろ。

あっ……ぁあっ、透けてる!ぁ……夢だ、絶対夢だ!

船が接岸し、春日さまが出てくる。

千尋 ひっ……ひっ、ぎゃあああーーっ!!

千尋を捜すハク。暗闇にいる千尋を見つけて肩を抱く。

千尋 っっっ!!!

ハク様 怖がるな。私はそなたの味方だ。

千尋 いやっ、やっ!やっっ!!

ハク様 口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。 千尋 いやっ!!……っ!?

ハク様 大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい。

千尋 ……ん……んぅ……んー……っ

ハク様 もう大丈夫。触ってごらん。

千尋 さわれる……

ハク様 ね?さ、おいで。

千尋 おとうさんとおかあさんは?どこ?豚なんかになってないよね!?

ハク様 今は無理だけど必ず会えるよ。……!

静かに!!

ハクが千尋を壁に押しつけると、上空を湯バードが飛んでいく。

ハク様 そなたを捜しているのだ。時間がない、走ろう!

千尋 ぁっ……立てない、どうしよう!力が入んない……

ハク様 落ち着いて、深く息を吸ってごらん……そなたの内なる風と水の名において……解

き放て……

立って!

千尋 あっ、うわっ!

走り出す二人。

ハク様 ……橋を渡る間、息をしてはいけないよ。

ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。 千尋 こわい……

ハク様 心を鎮めて。

従業員 いらっしゃいませ、お早いお着きで。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。 ハク様 所用からの戻りだ。

従業員 へい、お戻りくださいませ。

ハク様 深く吸って…止めて。

カオナシが千尋を見送る。

湯女 いらっしゃい、お待ちしてましたよ。

ハク様 しっかり、もう少し。

青蛙 ハク様ぁー。何処へ行っておったー?

千尋 ……!ぶはぁっ

青蛙 ひっ、人か?

ハク様 ……!走れ!

青蛙 ……ん?え、え?

青蛙に術をかけて逃げるハク。

従業員 ハク様、ハク様!ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ!臭いぞ、臭いぞ! ハク様 勘づかれたな……

千尋 ごめん、私 息しちゃった……

ハク様 いや、千尋はよく頑張った。これからどうするか離すからよくお聞き。ここにいては必ず見つかる。

私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して……

千尋 いや!行かないで、ここにいて、お願い!

ハク様 この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。ご両親を助けるためにも。 千尋 やっぱり豚になったの夢じゃないんだ……

ハク様 じっとして……

騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。外の階段を一番下まで下りるんだ。そこにボイラー室の入口がある。火を焚くところだ。

中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。

千尋 釜爺?

ハク様 その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。

ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。

千尋 湯婆婆…って?

ハク様 会えばすぐに分かる。ここを支配している魔女だ。嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない。

千尋 うん……

従業員 ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー?

ハク様 いかなきゃ。忘れないで、私は千尋の味方だからね。

千尋 どうして私の名を知ってるの?

ハク様 そなたの小さいときから知っている。私の名は――ハクだ。

ハク様 ハクはここにいるぞ。

従業員 ハク様、湯婆婆さまが……

ハク様 分かっている。そのことで外へ出ていた。

階段へ向う千尋。恐る恐る踏み出し、一段滑り落ちる。

千尋 ぃやっ!

はっ、はぁっ……

もう一段踏み出すと階段が壊れ、はずみで走り出す。

千尋 わ…っいやああああーーーーっ!やあぁああああああー!!

なんとか下まで降り、そろそろとボイラー室へむかう。

ボイラー室で釜爺をみて後ずさりし、熱い釜に触ってしまう。

千尋 あつっ…!

カンカンカンカン(ハンマーの音)

千尋 あの……。すみません。

あ、あのー……あの、釜爺さんですか?

釜爺 ん?……ん、んんーー??

千尋 ……あの、ハクという人に言われてきました。ここで働かせてください!

リンリン(呼び鈴の音)

釜爺 ええい、こんなに一度に……

チビども、仕事だー!

カンカンカンカンカンカン

釜爺 わしゃあ、釜爺だ。風呂釜にこき使われとるじじいだ。

チビども、はやくせんか!

千尋 あの、ここで働かせてください!

釜爺 ええい、手は足りとる。そこら中ススだらけだからな。いくらでも代わりはおるわい。

千尋 あっ、ごめんなさい。

あっ、ちょっと待って。

釜爺 じゃまじゃま!

千尋 ……あっ。

重さで潰れたススワタリの石炭を持ち上げる千尋。ススワタリは逃げ帰ってゆく。

千尋 あっ、どうするのこれ?

ここにおいといていいの?

釜爺 手ぇ出すならしまいまでやれ!

千尋 えっ?……

石炭を釜に運ぶと、ススワタリみんなが潰れた真似をしだす。

カンカンカンカン

釜爺 こらあー、チビどもー!ただのススにもどりてぇのか!?

あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならね。働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。

ここにあんたの仕事はねぇ、他を当たってくれ。

……なんだおまえたち、文句があるのか?仕事しろ仕事!!

リン メシだよー。なぁんだまたケンカしてんのー?

よしなさいよもうー。うつわは?ちゃんと出しといてって言ってるのに。

釜爺 おお……メシだー、休憩ー!

リン うわ!?

人間がいちゃ!…やばいよ、さっき上で大騒ぎしてたんだよ!?

釜爺 わしの……孫だ。

リン まごォ?!

釜爺 働きたいと言うんだが、ここは手が足りとる。おめぇ、湯婆婆ンとこへ連れてってくれねえか?後は自分でやるだろ。

リン やなこった!あたいが殺されちまうよ!

釜爺 これでどうだ?イモリの黒焼き。上物だぞ。

どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。自分で行って、運を試しな。

リン ……チェッ!そこの子、ついて来な!

千尋 あっ。

リン …あんたネェ、はいとかお世話になりますとか言えないの!?

千尋 あっ、はいっ。

リン どんくさいね。はやくおいで。

靴なんか持ってどうすんのさ、靴下も!

千尋 はいっ。

リン あんた。釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ?

千尋 あっ、うっ!……ありがとうございました。

釜爺 グッドラック!

リン 湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ。

早くしろよォ。

千尋 あっ。

リン 鼻がなくなるよ。

千尋 っ…

リン もう一回乗り継ぐからね。

千尋 はい。

リン いくよ。

……い、いらっしゃいませ。

お客さま、このエレベーターは上へは参りません。他をお探し下さい。

千尋 ついてくるよ。

リン きょろきょろすんじゃないよ。

蛙男 到着でございます。

右手のお座敷でございます。

?……リン。

リン はーい。(ドン!)

千尋 ぅわっ!

蛙男 なんか匂わぬか?人間だ、おまえ人間くさいぞ。

リン そーですかぁー??

蛙男 匂う匂う、うまそうな匂いだ。おまえなんか隠しておるな?正直に申せ! リン この匂いでしょ。

蛙男 黒焼き!……くれぇーっ!

リン やなこった。お姉さま方に頼まれてんだよ。

蛙男 頼む、ちょっとだけ、せめて足一本!

リン 上へ行くお客さまー。レバーをお引き下さーい。

『二天』につくが、『天』まで千尋を連れて行くおしらさま。


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